映画「チーム・ジンバブエのソムリエたち」:ワインが開く人生の扉

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(2020 Third Man Films Pty Ltd)

 

映画「チーム・ジンバブエのソムリエたち」公式ホームページ

https://team-sommelier.com/

 

 

かつては高い教育レベルで知られた南部アフリカの国、ジンバブエ。過去20年にわたる政治と経済の混乱により、インフレ率は200%を超える。人口の約3割が極度の貧困状態に置かれ、人口の25%が国外へ流出、大部分は隣国の南アフリカへ渡った。南アフリカでの厳しい環境と激しい外国人排斥運動を切り抜け、新しい生活に邁進する中でワインの魅力に出会った4人の男たちが、世界最高峰のワイン・テイスティング選手権に挑むドキュメンタリー。監督は、香港からオーストラリアに移住したワーウィック・ロス。トライベッカー映画祭、シドニー映画祭にて観客賞。

 

白人男性が圧倒的多数を占めるこの業界に、経済面でのハンディを負いつつも、プロとして挑む青年たちの姿が清々しい(しかし女性のソムリエールも増えてほしい)。彼らを支えるフランスや英国の個性的なワイン専門家たち、仏ブルゴーニュの城や広大な葡萄畑の風景も楽しみの一つ。自国を離れざるを得なかった人々の未来への可能性に思いを巡らさせられる。

 

私が初めてジンバブエを訪問したのは、2001年。経済の崩壊後、南アフリカへの国境を一人で超えた子どもたちの苦難や、2008年以降の南アフリカでのジンバブエ人排斥の様子など、心が痛む話題が多かった中で、ワインの奥深さとともに、人間の強さと可能性を強く印象づけられた一本。

 

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